本を読んで「なるほど」と思ったのに、読み終えると何をすればよいか分からない。働き方や暮らしを変えたくて読み始めた人ほど、そんな場面があるかもしれません。
まずは、一冊から試してみたいことを一つ選び、今の自分にできる大きさまで小さくしてみましょう。
この記事では、困っていること・本の考え方・自分の状況・次の行動・試した後の記録を残すメモを提案します。紙でも、スマートフォンのメモでも使えます。
本から学んだことと、自分が試したことは分けておく
勝間和代さんの『勝間式 金持ちになる読書法』には、読書で得たことを実行につなげる考え方が示されています。
僕もこの学びをきっかけの一つに、止まっていた家計簿の再開へ着手しました。マネーフォワード MEへの登録と口座連携を始め、本人確認やログイン情報の確認でつまずいたところまでが、今回紹介できる経験です。
読書をきっかけに動き始めたことと、家計が改善したことは別です。着手した段階でも「何をやったか」「どこで止まったか」を残せば、次に確認することが見えてきます。
以下のメモと手順は、その経験をもとにした僕の提案です。本にそのまま載っている方法でも、僕が長期間続けて効果を確かめた方法でもありません。
1.読む前に、いま困っていることを一行書く
本の内容をすべて覚えようとする前に、今回の読書で考えたい問いを一つ決めます。
- 働き方:求人を比べるとき、給与以外に何を見ればよいか
- 家計:家計簿を再開したいが、何から準備すればよいか
- 家族時間:仕事のある日に、残したい時間はどこか
- 副業:収入を増やす以外に、何を目的に始めたいか
ここに書くのは、今の自分にある問いです。本を読みながら問いが変わったら、書き直しても構いません。
2.使いたい考え方を、自分の言葉で短く残す
問いに関係しそうな箇所が見つかったら、使いたい考え方を一つメモします。あとで見返せるよう、書名と節名、ページや位置も一緒に残します。
そのとき、次の3つを分けておくと、他の人の成果を自分にも当てはまる事実として扱いにくくなります。
- 著者の主張:著者は何を勧めているのか
- 紹介されている事例や研究:誰の、どのような条件での話か
- 自分の解釈:自分の困りごとにどう使えそうか
たとえば、書籍にある人の転職や副業の成功例を読んでも、それだけで自分にも同じ結果が出るとは決められません。「自分なら、まず何を確認するか」まで書くと、次の行動へつなげられます。
引用文として使うときは原文のまま、言い換えたときは要約として残します。知識カードに候補ページがある場合も、必要な箇所は元の文章で確認しましょう。
3.行動を、次に手をつけられる大きさまで小さくする
「家計を整える」「転職を考える」だけでは、何をしたら始めたことになるのかが曖昧です。手を動かす場面が浮かぶ言葉へ変えてみます。
次は、目標を小さな行動へ分けるための提案例です。
| 大きな目標 | 最初の行動案 |
|---|---|
| 家計を把握する | 普段使う口座とカードを、用途と一緒に書き出す |
| 働き方を見直す | 次の働き方で守りたい条件を一つ書く |
| 家族時間を増やす | 今週、家族と過ごしたい場面を一つ挙げる |
| 副業を考える | 目的と、使えそうな時間をそれぞれ一行書く |
今日できる大きさにならなければ、さらに分けます。「口座の一覧を完成させる」が重ければ、まず一つの口座の用途を書くところからでも始められます。
制度の利用、契約、お金の移動などにつながる内容は、行動を決める前に、自分に適用される条件を公式の案内で確認します。読書の内容を、そのまま手続きの指示にはしません。
4.「やったこと」と「結果」を別々に書く
メモの状態は、たとえば「未着手・着手・一区切り・保留」のように残します。これは管理しやすくするための例なので、自分が使いやすい言葉で構いません。
大切なのは、作業をしたことと、望んだ結果が出たことを分けることです。
僕の家計簿再開なら、次のように整理できます。
| 項目 | 今回の経験をもとに書けること |
|---|---|
| 困っていたこと | 家計簿を約3年間つけていなかった |
| 本から得た考え方 | 学んだことを、読むだけで終わらせず実行へつなげる |
| 実際にしたこと | 家計簿を再開し、MEへの登録と口座連携に着手した |
| 分かったこと | 本人確認とログイン情報の確認で手が止まった |
| これからの行動案 | 未確認の項目と、確認先を一覧にする |
| まだ示せない成果 | 収支集計の結果や、節約できた金額 |
この例では、登録や連携への着手と、これから確認する作業を分けています。作業が進んだら、その時点で分かったことを追記できます。
うまく進まなかった場合も、理由と次の確認先を残せます。試して合わなかったことがあれば、その条件をメモします。無理に成功した形へまとめる必要はありません。
写して使える「学びから行動へ」のメモ
次の5項目を、紙やスマホのメモに写して使えます。
いま困っていること:
使いたい本の考え方:書名/節・ページ・位置/自分の言葉で一文
自分の状況:経験したこと/まだ試していないこと
次に試す行動:何をするか/どこで区切るか/確認が必要なこと
試した後の記録:実施日/やったこと/分かったこと/次にすること
メモを使い始める前から、記録を細かく整える必要はありません。まずは、今読んでいる本の一か所から、試したいことを一つ選ぶところまでで十分です。
今日の一歩は、本の内容を一つの行動へ言い換えること
読書の学びを暮らしへつなげるには、自分の問いに合う考え方を選び、次にできる行動へ言い換えてみましょう。その後で、実際にしたことと、分かったことを残します。
読了した冊数や、きれいなメモの量を増やすことよりも、今の困りごとに対して次に何をするかを決める。そんな読み方を試したい人に、このメモが一つの入口になればと思います。
参考書籍:勝間和代『勝間式 金持ちになる読書法』宝島社。「『行動』する読書、『実践』する読書が大事なわけ」の節を参照。本文のメモ形式・手順・行動例は筆者の提案です。書誌情報(宝島社)


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