「家族との時間を増やしたい」と思っても、夜勤を減らす、時短にする、職場を変えるなど、選択肢が浮かぶほど迷うことがあります。勤務時間が短くなれば、それだけで望んだ暮らしになるとも限りません。
まずは、一緒に過ごしたい場面・必要な生活時間・家事育児の分担・家計・職場への確認事項を分けて書いてみましょう。この記事では、働き方を決める前に、家族と相談するためのメモを提案します。
育休で気づいたことと、これから決めること
僕は男性看護師として働き、育休中に家族と過ごす時間の大切さを改めて感じました。子どもが初めて歩く場面や、初めての靴を選ぶ時間を妻と共有できたことは、これからの働き方を考えるきっかけになっています。
一方で、復職後にどの勤務形態を選び、家事育児をどう分担するかは、まだ検討している段階です。夜勤なしや時短に変えて家族時間が増えた、という実績を紹介する記事ではありません。
読書でも、優先したいことを考える材料がありました。『FIRE図鑑 第1巻』の「FIRE後の人生観の変化」の節には、ある寄稿者が、退職後に家族との時間など自分にとって大切なことを優先するようになった、という体験が紹介されています。
これはその人の経験です。看護師を辞めれば同じ暮らしになる、という根拠にはしません。以下の5項目は、僕自身の経験と、何を大切にしたいかという問いから考えた整理方法です。書籍に載っている手順ではありません。
1.「増やしたい時間」を、具体的な場面にする
最初に、家族と一緒にしたいことを一つ挙げます。「家族時間を増やす」よりも、いつ、何をしたいかが分かる言葉にします。
- 仕事のある日も、一緒に夕食を食べたい
- 寝る前に絵本を読む時間を持ちたい
- 保育園の送り迎えを分担したい
- 週末に、家族で出かける予定を合わせたい
これらは記入例です。すべてを叶える条件を最初から探す必要はありません。自分の希望と、家族が希望する場面をそれぞれ出し、まず守りたいものを話し合います。
「一緒に家にいる」ことだけでなく、自分が休めていて、その時間に関われるかも考えます。夜勤明けに在宅している時間を、そのまま家事育児を担当できる時間として数えないようにします。
2.勤務時間に、通勤・休息・生活の時間を足す
勤務表だけでは、帰宅後に使える時間までは分かりません。出勤準備、通勤、引き継ぎ、残業の可能性、帰宅後の休息まで含めて、一日の流れを書きます。
僕の場合、車での通勤は片道約30分です。勤務時間が同じでも、通勤を含めると家を空ける時間は変わります。看護師としての勤務条件を比べるときにも、家を出てから生活に戻るまでを確認したいと考えています。
| 書き出すこと | 確認する問い |
|---|---|
| 家を出る時刻と帰宅の見込み | 送り迎えや夕食の時間と重ならないか |
| 勤務前後に必要な時間 | 準備・引き継ぎ・残業を含めて考えられているか |
| 睡眠と休息 | 無理に削る前提の予定になっていないか |
| 家事育児と自分の用事 | 誰が、どの時間帯に担当する見込みか |
時刻がまだ分からないところは「要確認」で構いません。勤務先へ聞く必要があることと、自分たちで相談できることを分けます。
3.家事育児を「手伝う」から、担当する場面へ分ける
家にいる時間が増えても、何を担当するかが曖昧なら、家族の負担が減るかは分かりません。「できるときに手伝う」を、相談できる具体的な場面へ変えてみます。
| 場面 | 家族と相談すること |
|---|---|
| 朝の準備・送り | 起床から出発まで、誰が何を担当するか |
| 迎え・夕食・入浴 | 勤務日と休みの日で、分担をどう変えるか |
| 夜の寝かしつけ | 翌日の勤務や休息をどう考慮するか |
| 子どもの急な体調不良 | その都度相談する連絡方法や、頼れる先はあるか |
この表は分担を一方的に決めるためのものではありません。家族それぞれの仕事、体調、休みたい時間を持ち寄るための例です。実際の希望を聞く前に、相手が対応できると決めつけないようにします。
4.収入の不安は、分かる数字と未確認の数字に分ける
「家族時間は増やしたい。でも収入が減るのは怖い」という気持ちがあれば、そのままメモに残して構いません。気持ちを消してから働き方を考える必要はありません。
確認したいのは、現在の手取り、毎月の生活費、年に数回の支出、勤務を変えた場合の給与の見込みです。まだ家計を集計できていなければ、必要生活費を確定したものとして扱わず、確認する項目にします。
- すでに明細などで分かる数字
- 勤務先に聞く必要がある数字
- 家族と相談して決める支出
この3つを分けるだけでも、何を調べれば判断材料が増えるかが見えます。今の給与を勤務時間の割合だけで単純に減らして、変更後の手取りと決めることは避けます。具体的な見込みは、自分の勤務条件に沿って確認します。
5.希望を決めつけず、職場へ確認する項目にする
家族と相談して守りたい場面が見えたら、勤務先に聞きたいことを書きます。最初から「この働き方なら必ずできる」と結論を出さず、利用条件や実際の運用を確認する形にします。
- 勤務日、始業・終業時刻、夜勤の有無について相談できる範囲
- 希望する働き方の利用条件、期間、申請時期、必要な手続き
- 残業や急な勤務変更がある場合の対応
- 変更後の業務、給与の内訳や見込み
- 子どもの急な体調不良などが起きたときの相談先
制度名だけで判断せず、勤務先の担当窓口や規程で、自分に適用される内容を確認します。この記事のメモは、特定の制度を利用できると判定するものではありません。
写して使える「家族時間と働き方」のメモ
次の5項目を埋め、分からないところには「要確認」と書きます。
守りたい場面:いつ、誰と、何をしたいか
生活に必要な時間:勤務/通勤/睡眠・休息/家事育児
家族と相談すること:それぞれの希望/担当する場面/困ったときの対応
家計で確認すること:分かる数字/まだ分からない数字/確認先
職場へ聞くこと:希望する条件/制度の適用条件/給与・業務/次の相談先
まずは「守りたい場面」を一つ書くところからで十分です。そのうえで、家族と話すことを一つ、職場へ確認することを一つ選びます。相談後に条件が変わったら、メモも書き直せます。
家族時間を大切にする働き方は、勤務時間の短さだけでは決まりません。自分と家族が望む場面、生活を回す時間、収入の見通しを並べて、次に確かめることを決めていきましょう。
参考にした読書資料:『FIRE図鑑 第1巻』「FIRE後の人生観の変化」節(提供PDFの41ページ)。寄稿者個人の体験として参照。本文の5項目と記入例は筆者の提案です。

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