その夢、予算内に収まりますか?
- 広々とした吹き抜けのリビング。
- アイランド型の最新システムキッチン。
- リモートワークに最適な、おしゃれな書斎…。
一生に一度のマイホーム。夢と希望に胸を膨らませ、住宅展示場を巡る時間は、最高に楽しいものですよね。
しかし、その高揚感に水を差すようで恐縮ですが、家づくりで後悔した多くの先輩たちが、口を揃えて言う、ある“ことわざ”をご存知でしょうか。
「普請(ふしん)過ぎれば仕舞(しまい)できぬ」

建物の工事(普請)に手を広げすぎると、予算が尽きて、最後の仕上げ(仕舞)ができなくなってしまう――。 これは、夢見る多くの施主が陥る、「予算オーバー」という最大の罠への、先人からの、厳しくも愛のある警告なのです。
「こんなはずじゃなかった…」と、完成した我が家の前で青ざめないために。
この記事では、あなたの夢を、現実の予算の中に美しく着地させるための「資金計画」という名の羅針盤と、「優先順位」という名の舵取り術を、具体的にお伝えします。
最高の家づくりは、最高の資金計画から。さあ、後悔のない、賢い航海へと出発しましょう。
第1章:「普請」と「仕舞」の罠 ― なぜ家づくりは、いとも簡単に予算オーバーするのか?
まず、このことわざを、家づくりに当てはめてみましょう。
普請(ふしん)とは?
家の骨格となる「建物本体」の工事のことです。間取り、構造、断熱材、外壁、キッチンやお風呂のグレードなど、私たちの夢や憧れが詰まった、最も華やかな部分です。
仕舞(しまい)とは?
建物が完成した後に必要となる、仕上げや暮らし始めのためのお金です。具体的には、庭や駐車場などの「外構工事費」、カーテンやエアコン、家具・家電の「購入費」、土地家屋調査士や司法書士に支払う「登記費用」、火災保険料、不動産取得税などの「諸費用」、そして「引っ越し費用」などが含まれます。
なぜ予算オーバーが起こるのか。その原因は、ほとんどの人が「普請」のことに夢中になるあまり、「仕舞」にかかる莫大なお金を、すっかり忘れてしまうからです。

一般的に、「仕舞」にかかるこれらのお金は、家づくり全体の総額の20%〜30%を占める(これには将来の修繕費などの『備え』も含まれます。)と言われています。つまり、2,500万円の家なら、500万円以上の「仕舞」のお金が別途必要になる可能性があるのです。
この事実を知らないまま、「普請」にお金をかけすぎると…
- 「素敵なお家が建ったのに、駐車場は砂利のまま…」
- 「リビングは広いけど、置くソファもダイニングテーブルも買えない…」
- 「貯金が底をつき、カーテンなしでしばらく生活することになった…」
という、笑えない「普請過ぎれば仕舞できぬ」状態に陥ってしまうのです。
第2章:あなたの「総予算」を知る ― “借りられる額”と“本当に返せる額”は全く違う

賢い資金計画の、揺るぎない第一歩。それは、「自分たちが、家づくり全体に使える総予算は、一体いくらなのか」を正確に把握することです。
ここで、多くの人が犯す、最大の過ちがあります。それは、「銀行が貸してくれる上限額=自分たちの予算」と考えてしまうことです。 銀行は、あなたの将来の教育費や老後のことまで考えてはくれません。
彼らは、あくまで現在の年収から「貸せる額」を提示するだけ。その上限額を鵜呑みにすると、あなたの未来は、住宅ローン返済に追われるだけの、苦しいものになってしまいます。
正しい予算の決め方は、逆算です。
現在の家計を把握する: まず、毎月の収入と支出を正確に洗い出し、「今の家賃と同じくらいなら、無理なく返せるな」という基準を見つけます。
未来のライフプランを描く: 「子供は何人欲しいか」「どんな教育を受けさせたいか」「自分たちの老後資金はいくら必要か」など、将来の支出を予測します。
「本当に、無理なく返せる額」を決める: 1と2を踏まえ、昇給や不測の事態も考慮して、「これなら、何があっても絶対に返せる」という、安全な毎月の返済額を算出します。
借入総額を逆算する: その毎月の返済額から、住宅ローンの金利や返済期間を考慮して、借り入れできる総額を割り出します。
このプロセスは、非常に複雑で、専門的な知識が必要です。もし少しでも不安を感じたら、迷わず家づくりや住宅ローンに詳しいFP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談を利用しましょう。こうした専門家は、あなたの家づくりを成功に導く最高の『チーム』の一員になります。プロの第三者の視点で、あなたの家族に最適な資金計画を立ててくれる、最も頼りになるパートナーです。
第3章:「普請」を賢くコントロールする、満足度を最大化する“優先順位術”
総予算という「器」の大きさが決まったら、次はその器の中に、どうやって夢を美しく盛り付けるか、という段階です。ここで重要になるのが「優先順位付け」です。

まずは、家族全員で、新しい家で実現したい「夢」や「要望」を、付箋に思いつく限り書き出してみましょう。そして、その付箋を、以下の3つのカテゴリーに仕分けていきます。
- MUST(絶対に必要なもの): これがないと生活できない、家族の健康や安全に関わるもの。(例:耐震等級3、十分な断熱性能、子供部屋の数)
- WANT(できれば欲しいもの): あると生活が豊かになる、憧れの仕様。(例:食洗機、床暖房、広いバルコニー)
- NICE TO HAVE(あったら嬉しいもの): 予算に余裕があれば…というレベルのもの。(例:シアタールーム、デザイン性の高い照明器具)
この作業をすることで、家族の価値観が明確になり、どこにお金をかけるべきか、どこを削るべきかの判断軸ができます。
限られた予算の中で、優先すべきは、家の基本性能に関わる部分です。
- 構造・耐震性
- 断熱性・気密性
- 間取り・動線
これらは、一度建ててしまうと、後からリフォームするのが極めて困難で、莫大な費用がかかります。目に見えない部分ですが、家族が長く、安全・快適に暮らすための、最も重要な投資です。
一方で、壁紙やカーテン、照明器具、一部の造作家具などは、後からでも比較的簡単に変更・追加できます。 「外構は、まず最低限だけやって、お金が貯まったら少しずつ自分たちでDIYしよう」 「子供部屋の造作棚は、子供が大きくなってから、必要に応じて考えよう」 このように、「後からできること」を潔く手放す勇気も、賢い家づくりには必要です。
また、LIFULL HOME’Sのような一括資料請求サイトを利用し、複数のハウスメーカーから相見積もりを取ることは、コストと仕様を比較検討する上で、絶対に欠かせないプロセスです。
まとめ:家づくりは、家族の“幸せ”を設計するプロジェクト

「普請過ぎれば仕舞できぬ」 この言葉は、私たちに、家づくりで本当に大切なことは何かを教えてくれます。
最高の家づくりとは、無限にお金をかけて、豪華な設備を詰め込むことではありません。 それは、限られた予算というキャンバスの上で、家族の未来にとって、何が本当に大切かを見極め、幸せの形を設計していく、クリエイティブで愛おしいプロジェクトなのです。
緻密な資金計画という名の「設計図」と、賢い優先順位付けという名の「コンパス」があれば、あなたは予算オーバーという嵐に怯えることなく、後悔のない、理想のマイホームという港に、必ずたどり着けるはずです。
まずは、あなたの家族だけの「資金計画という羅針盤」を手に入れることから。あなたの賢い家づくりは、もう始まっています。
💡建物本体(普請)だけでなく、外構や諸費用(仕舞)まで含めた全体の資金計画を立てる。
💡家族で価値観をすり合わせ、「後から変えられないこと」を最優先に予算を配分する。
💡全ての夢を詰め込むのではなく、未来の楽しみとして「後からできること」を潔く手放す。
このように賢く行動をデザインし「夢や憧れだけで突っ走らず、緻密な資金計画と賢明な優先順位付けで、家づくりを進めること」こと、それこそが、何物にも代えがたい「予算オーバーの不安から解放された「心の平穏」と、家族の幸せが長く続く「後悔のないマイホーム」」となるのです。
さあ、今日からあなたも「夢ばかりが膨らみ、肝心な「お金」の計画が抜け落ちて、後で後悔してしまう自分」から卒業しませんか? まずは住宅ローンに詳しいFP(ファイナンシャルプランナー)の無料相談を予約してみる。 その小さな一歩が、あなたの未来を確実に創り始めているはずです。
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